PUNOM PHEN
 
東南アジアの最高と最低

 今、僕がこの街について語ろうとするとき、エモーショナルなものが込み上げてくるのを許してもらいたい。この街は近年、タイに代わる児童売春の供給地として、また、簡単にハッパやドラッグの手にはいる土地として名を馳せ、しかもそれが旅行者の誘致文句となってしまうという皮肉を抱えてきた。さらに、この街きっての観光名所といえばキリング・フィールドトゥールスレーン刑務所など、クメール・ルージュ(ポル・ポト派)の忌まわしい過去の記憶を今に伝える遺跡が真っ先に挙がってくる。しかし、その一方で、僕がこの街で出会ったのは「もう過去や現実を嘆いてばかりいてもしかたないんだ」といわんばかりの、クメール人たちの笑顔だった。それは、あの「タイの微笑み」とは違う、過去を許し、現実を裁かず、なにも根拠はないけれど未来を信じようとする、痛みをともなった笑顔だった。今、この街には東南アジアの最高と最低がある。



トンレサップ川

 川のある町には、そこだけが見せるやさしさがある。
「観光名所」といえるほとんどすべての魅力をアンコール・ワットが担っているこの国では、ビュー・ポイントとしての首都プノン・ペンの印象は薄い。ただ、この町が1978年までクメール・ルージュの手によって廃墟と化せられていた首都であり、その悪夢から急速に立ち直ってきた街であることを知るとき、日ごろはうるさいだけの街の喧騒や、埃っぽさがまた違ったものとして見えてくることだろう。

 しかし、急激な経済成長が必ずしも幸せだけをもたらすものではないことを、もはや僕等は知っている。その国々に根付いてきたはずの豊かな文明や風習が蝕まれていくことも。
しかし、そのような時代の流れにあって、川はなんといつまでも川でありつづけることだろう。そして、川べりに出てきた人々の見せる表情の変わりなさは、どうしたことだろう。プノン・ペンの街でも、ここだけは時間の流れが違う。そこにはクメール・ルージュはおろか、カンボジアという国家もアジアという概念も必要ない。日差しが和らぐ頃に人々が川べりに集まってくる。そこには何の説明も要らない。そして、そういうことこそが、旅の途上で僕らが見届けておきたいもののひとつなのではないだろうか。

●タクシーかバイクタクシーでのアクセスが無難


トゥール・スレーン刑務所

 この場所のことだけは、誰もが訪れる観光名所であろうとなかろうと、どんなに語り尽くされた陳腐な言葉であろうと、書かねばならない。

 ポル・ポトが政権を取った1975年から78年の間、カンボジアでは未曾有の大粛清が行われ、知識人はおろか一般庶民も、子供たちでさえも国家の理想の名のもとに殺められた。ここがその歴史を伝える場である。
 ここにはおびただしい数のポートレイトが壁に展示されている。しかし、それは陽気なスナップ写真などではない。これから処刑されようとする人々の姿をフィルムに納めたものだ。クメール・ルージュの資料用に残されたこの写真群の一人一人の表情には、言葉を捩じ伏せる静かな怒りの力がある。

 回廊のようになった展示を見終わると、最後にポル・ポトの胸像が、一体はしっかりと展示され、もう一体が無造作に床に転がされていた。展示された方には顔にマジックインキで×印が書かれ、床に転がっているほうの胸像は鼻の部分が欠けていた。おそらく床に寝ている方は、この展示を見終わった観光客がせめてもポル・ポトの偶像に蹴りを入れるために転がされているのだろうと私は解釈し、思い切りその頭を蹴飛ばしたが、そうしたところで何の解決もない。それに、そんなところで私たちが多少溜飲を下げたとしても、それは本当に、何でもないことだけは確かだ。

●タクシーかバイクタクシーでのアクセスが無難


より大きな地図で プノンペン を表示


プノンペン市街図


カンボジア⇔タイ海路アクセス・インフォメーション

1999年春、多くの旅行者たちの念願だったカンボジア/タイの陸路国境がオープンした。その2ケ所の国境のうち、ポイペト/アランヤプラテート国境はアンコール・ワットに近いシェムリアップの街を目指すのに都合がいいことから比較的有名で、地球の歩き方を始め、情報も多い。それにカンボジア側での賄賂やダンシング・ロードと異名をとる悪路(雨期はスタック、乾季は激しい砂埃)のため、私はあまりこのルートを好まない。ここでは快適な移動の旅が楽しめる、チャム・イェムハートレック国境を通った海路を含んだコースのデータを御紹介したい。
なお、このインフォメーションはプノンペンのページに入っているが、実際にアクセスされる方はタイ側からカンボジアを目指される方が多いだろうと思うので、バンコクからプノンペンに向けてのシークエンスで並べた。



バンコク→プノンペン:トランスファー

出発地
移動方法
特記事項

バンコクでのあなたの所在地

エカマイ・バスターミナル方面
→ BTSスクンヴィット線オンヌット行き乗車
→ エカマイ駅下車

モーチット2・バスターミナル方面
→ BTSスクンヴィット線モーチット行き乗車
→ 終点で下車
→ バスやバイク・タクシー、徒歩などでターミナルへ

このほか、バンコク市内を走っているバスは両ターミナルへ向かうものも多い。

タクシーでももちろん行けるが、向かう道はどちらも渋滞しやすい。

エカマイ・バスターミナル(東バスターミナル)

または

モーチット2・バスターミナル(北バスターミナル)

バス

最近、ハイウェイの開通により、所要時間が短めで到着することが多い

トラート(映画館前)

ピックアップ・タクシー

または

ソンテウ

ピックアップは定刻前にでも定員が集まれば発車するので要注意。

ソンテウの場合は途中クローン・ヤイで乗り換えが必要。

ハートレック

徒歩

この国境ではカンボジア側でも賄賂は要求されないようだ

カンボジア側国境

バイク・タクシー

または

タクシー

ボーダー前から声をかけてくる連中は必ずぼるので、相手にしないこと

ココンの対岸の船着き場

小型ボート

一隻のチャーターになる。ここでもぼられる可能性が高いので、できれば団体交渉して相乗りがいい

ココン

高速船

席がないと船の屋根に乗せられるので遮光および雨対策が必要

シアヌークヴィルの船着き場

バイク・タクシーなど

うまく行けば街に向かって徒歩5分程度の所にあるガソリン・スタンドでプノンペン行きのバスをつかまえられる

シアヌークヴィル(コンポアンソム)

バス

または

鉄道

あるいは

タクシー

ニュー・パリス・ホテル横のバス・ステーションにほとんどの会社のバスが集まっている

鉄道は移動に12時間かかることと、プノンペン到着が深夜になることに御注意

プノンペン

あとは御自由に



バンコク⇔プノンペン:アクセス・タイムテーブル
※ タイムテーブル、料金等の調査は2001年および2000年夏季に行われています。当地では一部変更等が予測されますことをあらかじめご了承くださいませ。

バンコク発の場合

エカマイ/モーチット2 → トラート

約5時間      175B

エカマイ・バスターミナル発
8:30   10:30   16:40   18:30   22:30   (SUPARAT TOUR)

モーチット2・バスターミナル発
6:00   10:00   15:30   23:00   (SUPARAT TOUR)

トラート → (クローン・ヤイ) → ハートレック

ピックアップ:ワン・ボックスのワゴン車でエアコン付き
トラート 〜 クローン・ヤイ   60B   約1時間
トラート 〜 ハート・レック  100B   約1時間30分

6:00   6:45   7:30   8:15   9:00   9:45   10:30  11:15
12:00  12:45  13:30  14:15  15:00  15:45  16:30  17:15  18:00

ソンテウ:乗り合いバスのようなもので、トラックの後ろの荷台に座席がついている
トラート 〜 クローン・ヤイ 〜 ハートレック  通しで30B   約3時間30分

カンボジア側ボーダー → ココンの対岸の船着き場

バイクタクシー   だいたい20B   約10分
タクシー      一台約100B   約10分

ココンの対岸の船着き場 → シアヌークヴィルの港
 
客船   600Bまたは1.6$   約4時間
      ※以前、クメール人が購入した場合には500B(1.5$)だったが、現在は統一価格になったという情報

8:00発のみ  (毎日就航)

シアヌークヴィルの港 → シアヌークヴィル(コンポアンソム)

バイクタクシー   だいたい1$(30B)   約10分   ※バーツ払い可

シアヌークヴィル(コンポアンソム) → プノンペン

各社とも10000R (100バーツでも支払い可)

GST社バス   7:15   8:15   11:30   12:30
ホー・ワー・ジェンディング社バス   7:10   8:30   12:15   13:10   14:00


プノンペン発の場合

プノンペン → シアヌークヴィル(コンポアンソム)

各社とも10000R (100バーツでも支払い可)

GST社バス   7:15   8:15   11:30   12:30
ホー・ワー・ジェンディング社バス   6:55   7:30   8:30   12:30   13:30
 

シアヌークヴィル(コンポアンソム) → シアヌークヴィルの港

バイクタクシー   だいたい1$(30B)   約10分   ※バーツ払い可

シアヌークヴィルの港 → ココンの対岸の船着き場

客船
   600Bまたは1.6$   約4時間
      ※以前、クメール人が購入した場合には500B(1.5$)だったが、現在は統一価格になったという情報

12:30発のみ  (毎日就航)

ココンの対岸の船着き場 → カンボジア側ボーダー

バイクタクシー
   だいたい20B   約10分
タクシー      一台約100B   約10分

ハートレック → (クローン・ヤイ) → トラート

ピックアップ:ワン・ボックスのワゴン車でエアコン付き
ハート・レック 〜 トラート  100B   約1時間30分
クローン・ヤイ 〜 トラート   60B   約1時間

6:00から18:00まで1時間に1本程度
発車時間はトラートからくる便によるので正確ではない

ソンテウ:乗り合いバスのようなもので、トラックの後ろの荷台に座席がついている
ハートレック 〜 クローン・ヤイ 〜 トラート  通しで30B   約3時間30分

トラート → エカマイ/モーチット2

約5時間     175B

エカマイ・バスターミナル行き
7:00   8:00   9:00   10:00  11:00  12:00  13:00  14:00  16:00  18:00  23:00  23:30

8:30   10:30  14:00  17:00  23:00  (SUPARAT TOUR)

モーチット2・バスターミナル行き
9:30   12:30  16:00  23:30



ホー・ワー・ジェンディング社のプノンペンから各地へのタイムテーブル

 
行き先 料金 発車時刻
1 Ho Chi Minh(Vietnam) - 6:30
2 Kampong Cham 6:45 7:45 11:30 13:15 16:00
3 Kampong Chhnang 4500R 6:15 6:55 8:00 9:00 10:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00
4 Takeo 4500R 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:20 14:30 15:30 16:30
5 Neak Leung 4000R 5:50 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00
6 Kampong Speu 3000R 5:45 6:15 6:45 〜enery 45 min
7 Udong 2500R 6:15 6:55 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 16:30 17:30
8 Row Kakong 3000R 6:25 7:20 8 :15 9:25 10:30 11:20 12:15 13:30 14:15 15:15 16:30 17:15 18:00
9 Roungchak Kdarbanteas 2000R 6:00 〜every 30 min
10 Takhmau 1200R 6:00 〜every 15 min
11 Leak Leung - 6:00 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00
12 Sihanoukville 10000R 6:55 7:30 8:30 12:30 13:30


ホー・ワー・ジェンディング社の各地からプノンペンへのタイムテーブル

乗り場 料金 発車時刻
1 Ho Chi Minh(Vietnam) - 6:30
2 Kampong Cham 8:10 9:00 10:00 14:00 16:00
3 Kampong Chhnang 4500R 6:15 7:00 7:45 9:15 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00
4 Takeo 4500R 6:30 7:30 8:30 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:30
5 Neak Leung 4000R 今回未調査
6 Kampong Speu 3000R 今回未調査
7 Udong 2500R 6:30 7:00 7:30 8:15 9:00 10:30 11:15 12:15 13:15 14:15 15:15 16:15 16:15 17:15
8 Row Kakong 3000R 今回未調査
9 Roungchak Kdarbanteas 2000R 今回未調査
10 Takhmau 1200R 今回未調査
11 Leak Leung - 6:15 7:15 8:15 9:15 10:15 11:15 12:15 13:15 14:15 15:15 16:15 17:15
12 Sihanoukville 10000R 8:10 9:00 10:00 14:00 16:00

※上記のタイムテーブルは1〜4,7,11,12が2001年夏季、5,6,8〜10が2000年夏季の時刻表のダイヤです。あくまで目安としてご使用ください。


プノンペン安全タクシー情報

カンボジアの治安は、数年前とはまったく比べものにならない改善ぶりになっていますが、それでもまだ物騒な事件は次々と起こっています。交通手段選びにも慎重を期するに越したことはないでしょう。
また、はなはだ不愉快なバイクタクシーの連中もカンボジアには多いので、これにも注意が必要です。
これはガイドブックなどでも伝えられていることですが、特に安宿として日本人バックパッカー御用達になっているキャピトル・ゲストハウスの近くにたむろしているバイクタクシー・ドライバーには要注意。

私はそのため、プノンペンではいつも信用のおける、同じバイクタクシーを選んでいます。
初めてカンボジアに行かれる旅行者の方々の少しくらいのお役に立つかと、彼のことを紹介しておきます。

★ 2001年春のホンコン・ホテル爆破事件の後、そこが職場の拠点であった彼はこれを機会にバイクタクシーを辞め、タクシーを運転し始めました。タクシーはバイク・タクシーよりはずっと割高になるだろうとは思いますが、彼は値段についても相談に応じてくれるだろうと思います。常勤場所は改装を終えたニュー・ヨーク・ホテルに移っております。

名前 ; ソムバット
年齢 ; 33
性別 ; 男性
場所 ; モニボン通り沿いのニュー・ヨーク・ホテル(旧ミタピアップ・ホテル向かい
)で常勤
時間 ; 午前9時ごろより午後7時ごろまで
電話 ; 011−975630(モバイル)
言語 ; 旅行に不自由しない程度の英語が話せるほか、クメール語はもちろん、ヴェトナム語の通訳も可




footprints

2003・2006年
煙草を一服する男。
衝突事故で人が集まってきた。
選挙に行くと、投票済み確認のために指を黒く塗られるそうだ。
街を見下ろす@
街を見下ろすA
フラットの上にバラックがあったりする。
ソリヤ・デパート完成

あまりに近代的で驚いた。
ソリヤ・デパート内のレストラン。
ソリヤ・デパートのフード・コート

クーポン式でタイ風。
フルーツ・ジュースのスタンド。
スップ・チュナンダイ

カンボジアの鍋料理で、出汁がいい。
僕はタイ・スキよりこっちの方が好き。
お勘定。
ポーチェントン空港も、プノンペン国際空港に変身。
1999・2000・2001年
プサー・トマイ(新市場)

観光客なら一度は訪れる。
カンボジアはどこでも客引きがうざったい。
2000年前後までは未舗装路が多かった。
トンレサップ河畔

移動式パン屋に懐かしさを覚える。
トンレサップ河畔

ハスの実はおやつ代わり。
トンレサップ河畔

まだ川べりはハイソ志向の独壇場ではなかった。
スコールがあるとすぐに冠水。
しかし、それくらいのことは慣れっこだ。
子どもたちは水浸しが大好き!?
プサー・チャス(オールド・マーケット)

生鮮食品の多い市場。
周辺は雑多な雰囲気。
プサー・チャス(オールド・マーケット)

やたらとゴミが落ちている。
トンレサップ河畔

川べりは街一番のお洒落スポットに変容。
63st.

プノンペン随一の繁華な通り
靴磨き

道行く人たちが声をかけてゆく
シクロ

プノンペンでは大活躍
中距離バス乗り場

コンポンチャムなどへはこちら
街角のレストラン

中華っぽい下味で確かな味
名刺屋台通り

道の右に並んだ看板はどれも名刺の店
トンレサップ川に繋がれていたカジノ船


カンボジア瓦版


↑ 野次馬は、どこの国でも同じ。
(僕も同じ)




↑ 爆破事件のあったホンコン・ホテルの改修
(現在他のホテルに建て変わっている)




↑ プノンペン郊外の古都ウドーンにあった石仏?



↑ 改修中のウドーンの仏塔
この塔が最も高い



↑ プノンペン駅を引込み線の側から見る
列車は1日1本



↑ パークウェイ・スクエアにある美容室
「髪の集団」とはなんともすごいネーミングだ




↑ カンボジア在住のスイス人写真家、ピエール・ポレッティ氏の作品
http://www.iklektik.com



↑ トンレサップ川べりで演奏する人々



↑ロータリーで水播きするおばさん



↑ ちゃんと据えつけられていた方のポル・ポトの胸像にも顔にマジックで「×」がしっかり記されていた。



↑ プサー・トマイ(新市場)の内部
ある日、銃声のような音が響き、人の姿が一斉に消えて舌を巻いた



↑ 現在カンボジア唯一の日本語カンボジア無料ガイド誌「アンコール・ゼン・ガイド」



↑ 素晴らしく近代的なソリヤ・デパート最上階にあるフード・コートのチケット



↑ ポーチェントン改めプノンペン国際空港のパンフ
右は裏表紙に載っている児童売春禁止の広告



↑ ポーチェントン空港時代の空港使用料領収書



↑ バンコク・エアウェイズのチケット

↑ 倒産してしまったロイヤル・エア・カンボージュのチケット
カンボジアのナショナル・フラッグ(国家を代表する飛行機会社)だった



↑ バイク駐車チケット
市場やデパート前で係官が渡してくれる



↑ カンボジア入国カード



↑ プノンペン発ホーチミン市(サイゴン)行き国際バスの広告

◆トップ・ページへ
◆「あの人・この街」目次へ










SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送