BANDUNG


うまい!

高原の街らしく、日差しに茹だっていたと思ったら、急な雨のあとにはうんと涼しくなる。照りつける陽の下ではアジア風情の活気ととろんとした緩さが漂い、小雨がちらちらする中では機敏さや笑顔や生気を取り戻す。バンドゥンでは、人々は天候と二人三脚をしていた。

ホテルのフロントで両替商の場所をを尋ねたら、ブルーバード・タクシーを呼んでドライバーさんに説明してくれた。紹介してくれたところだけでなく、どの両替屋も閉店している。あちこち廻ってくれたスンダ人のおじさんドライバーさんは、「タクシー料金は値引きするよ」と自ら申し出てくれる。カネにせこいインドネシアの風景を見続けた身に、彼は輝いて見えた。しかも、両替時に必要なパスポートをうっかりホテルに置き忘れていた僕に、「それなら私のIDを使って両替してくれればいい」と、ようやく見つけた両替商で窓口に並んでくれた。両替が終わって、「スンダ料理の店に連れて行ってほしい」と言うと、わりあい近くにあった店の前で止めてくれた。

その店、"Alam Sunda"で、それまで寝不足と体力不足での旅にやられていた胃が目覚めた! その店では並べられた肉や野菜など好きなものをチョイスして揚げてもらい、そこにクリスピーなフライの衣のようなものをかけてもらうのがメインのオーダーとなっていた。ちょうど僕の直前でそうしていたインドネシア人を見よう見まねでなんとか理解したことなのだけれど。そこに取り放題の白ご飯が出て、フルーツスタンドでフレッシュジュースも買う。どのフライも油っぽくないうえに、あっさり目でいながら下味のしっかりした味付けに唸ることしきり。
周りを見渡せば、客の誰もが料理を手づかみでワシワシ食べている。僕も負けじと、揚げたてあつあつの魚介類や鶏肉やテンペ(臭くなくて水分のない固形の納豆)を指でも味わいながら次々平らげる。手づかみの食事は、意外なことにいっそう食欲を掻き立ててくれた。
その日から僕のバンドゥンでの食事はほとんどがここになった。

バンドゥンには旅行者の誰もが納得するような名所はない。ジャカルタからやってくると、その田舎版に見えるような街である。しかし、雨が降ったあとに子どもたちの戯れを見守る大人たちの微笑みは、首都にはない優しさが湛えられている。
スンダ人の穏やかさと誠実さがこの高原の街にぴったり合っている。


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footprints

アジア・アフリカ会議博物館で雨宿り
アジア・アフリカ会議博物館周辺は風格ある建物が多い
街の中心にあるマスジット・ラヤ・バンドゥンは美しかった
マスジット・ラヤ・バンドゥンのすぐ北には大きなバス停が
広い歩行者天国はインドネシアでは実にありがたい
アジア・アフリカ通りは垢抜けた雰囲気
アジア・アフリカ通りの壁の落書きには国情が…
オットー通りの歩道は売り物と人でごった返している
人力車もたくさん
その名も「市場通り」
ケンタッキーもこんな建物に!
道端のカツラ屋台です
木々の背丈が高い!
ジャワ島の街の路面はグダグダです
でもそんな路面のある街が好きだったりします
インドネシアの屋台はちょこんとしてかわいいです
バンドゥン空港近くの家は全部水色に塗られていました
バンドゥン駅近くの歩道橋にて
超おすすめスンダ料理店「ワルン・ナシ・アヤム・スンダ」
店内では料理を手づかみで食べている人でいっぱい
揚げ物なのに味がくどくなくて、本当に最高でしたよ
ホテルの朝食バイキング
ホテルでWifiが入らなかったのですが、
フロントに相談すると専用に取りつけてくれました!
バンドゥン空港待合ロビー
バンドゥン空港を発着所側から見た
このくらいの広さが落ち着くなあ
またね、フェアウェル・バンドゥン!

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