BATAM


芯がはっきりしない島

 シンガポールのハーバーフロントからフェリーで40分ほどで着く島、それがバタム島だ。インドネシアは島嶼国家であるため、それぞれの島に強い特徴があり、東ティモール独立やアチェの独立運動にも、旧宗主国の違いという以外に、地域色があまりにも異なるために中央集権国家が成立しにくいという背景もある。
 リゾート地として名を馳せる隣のビンタン島とは違って、バタムにはこれといった観光客誘致の謳い文句がない。ただ、シンガポールから程近いという地の利を活かして工場誘致が進んでいるため、開発の槌がどんどん入っていて、以前は海路のメイン・ゲートであったバトゥー・アンパルはカーゴ用としての港に転じ、代わってバタム・センター港が開かれている。

 僕がバタムについてそんな蛇足知識ばかり書き連ねるのは、実はこの地域をうまく捉えきれていないからだ。街角に居並ぶ携帯屋の数に舌を巻いたり、何につけぼろうとするタクシーやバイクタクシーに閉口したり、インドネシア料理の意外な口当たりのよさを発見したり、街を巡る諸事情には雑感もあるのだが、如何せん、観光地すらどこにあるのかホテルマンに訊いてもはっきりしない土地で、この地を短文の中に表現することがどうしてもできないでいる。街の芯のようなものがはっきりしないのだ。
 しかし、ある意味ではそれこそがバタムなのかもしれない、と思う。マラユ語を国語としているマレーシア、ブルネイ、シンガポールはもちろん(シンガポールは英語を第一国語としながら、中国語、マラユ語、タミル語を第二国語としている)、同じ言語ルーツを持つフィリピンにまで及ぶネットワーク感を持ちながら、それでも島民は島民、といういなたさが、観光ずれしていないからこそ垣間見られるこの島の人々の持ち味なのではないか、と。


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footprints

屋台が並ぶ
街の中心部
屋台風食堂の並ぶ一角
市場の入り口
インドネシアで有名なマタハリ・デパートは店内喫煙OK
新しくロビンソン・デパートもオープン
新しく整備されたバタム・センター港
フェリーの到着を待つ人々
ミー・ゴレンがうまかった
赤道に近い夕日が沈む
街一番の文房具屋
ロビンソン近くでは新しい建物が建設中だった

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