インドネシアにはほとんど降り立ったことがない。長期休暇のたびにジャワ島で街巡りをしようとか、スマトラ島でのんびりしようとか、コモド島でコモド・ドラゴンを見ようとか、スラウェシ島で綺麗な海に臨もうとか、思い立つだけなら何度もそうしてきた。インドネシアは18110もの島で構成される、世界最多の島嶼国家である。長さが東西に5110ｋｍにも及ぶことも含めて、一国だけで万華鏡のような変化を楽しめるだろう。でも、実際にはなかなか足が伸びない。最も大きな理由は、単に交通費の問題なのだが。
僕が知っているかぎりで言えば、インドネシアは何をするにもごちゃごちゃしたところだ。夜の一人歩きは危険だと言われるし、タクシーに乗ればこちらも危険だという話もあれば、そうでなかったとしてもぼられる可能性が極めて高い。それでいて何がしかの旅行の面白さに到達するには、市井の人々との距離が遠い。いろんな刺激に満ちているのは分かっているのに、なかなかそこに手が届かない。そういう点で、言語的にも近いとされるフィリピンと似た印象である。
それでも、いつかじっくり見て回りたい。日本にいるときから、その思いはまだ変わらないまま新鮮だ。
…と言っていたが、とうとう2017年、ジャカルタ〜バンドゥン〜バリと周遊することができた。それぞれのことについては各都市の項目をお読みいただければ嬉しい。
