INCHONG 仁川



通勤電車にて

 まだ国際空港がキンポ(金浦)にあったころ、インチョンはソウルのベッドタウンという感じで、とりわけ観光客にはパッとしない存在だったと思う。海に面しているので海鮮料理がおいしいことと、ここから中国に向けての国際フェリーが出ていることくらいか。でも、だからこそ行ってみようと思った。電車に揺られて韓国での人々の暮らしぶりを見てみたいと。
 日本を思わせる快速電車は、若干日本よりがやがやした感じだというだけのことだったが、車両の向こうの方から何か大きな音をたてる音楽が近づいてきたなと思うと、それは足のない男性の物乞いだった。それが周囲の風景とあまりにも不釣り合いに映ったが、もちろん乗客たちはいつものことだとすましている。ガムの売り子が車内を巡る姿にも、アジアならではのエネルギーを感じる。

 日帰りだったので、ちょっと街をぶらぶらして、海を見て、海鮮料理に舌鼓を打ってソウルに戻った。だから、この街について多くのことは知らない。ただ、やっぱり都会的なソウルよりインチョンの方がずっと落ち着いていて親しみが持てた。今度はこの街に宿泊してみたい。




ウォルミドの海鮮小料理店

 「サシミ! メウンタン! 4000エン! ヤスイヨ!」
 こうして外国人が話す言葉としてカタカナで書くのが失礼かなと思うほど日本語に近い発音で、ウォルミドの海鮮小料理店の並ぶ一角のおじさん・おばさんたちが声をかけてきた。そんな一軒で、魚介類のフルコースを食する。せっかくだから仲間とテーブルを囲みたいが、長いタイ旅行のストップ・オーヴァーとして立ち寄っているので、しかたがない。
 次から次へと並ぶ料理は、どれもとびきり新鮮でうまい! 日本との味つけ・調味料の差もあるが、ほとんど違和感なく平らげられる。あまりにつめこんで胃も限界に達し、最後のメウンタンはさすがに丁重にお断りしたが、それが心残り。経済成長めまぐるしい韓国のこと、この店の値段も変わってしまったのだろうか。できればもう一度、今度は誰かと行ってみたい。


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