DAMUNUN SADUAK


ワニか!?

 僕らを乗せたワゴン車は早朝の通りをひた走っていた。眠そうな目をこすっていたのはだれも同じだったが、車内ではフィリピン勢の笑い声が渦巻いていた。日本人とフィリピン人の合同ツアーはこうして始まった。
 目的地で船に乗り換え、いざ運河を進んでいくと、水面に何やら見慣れぬ動物の顔らしきものが、ボートより速い速度で近づいてきた。
「あっ!!」
 その顔は小さかったが、ワニにとてもよく似ている。背筋が凍りついた。ワニらしき顔はすでにかなり我々に近づいたところにいる。友人のフィリピン人に「あれ!あれ!」と指をさしてみると、「オー! アリゲイター!」 なぜか皆が爆笑している。その間に水面の顔はボートと横並びになっているが、近づいてみると、ワニではなさそうだった。ただ、濁った水面に隠された胴体を想像すると、かなり大きなトカゲ類であることは容易に想像できる。もしかして、インドネシアのコモド島にいるという獰猛なコモド・ドラゴンではないかと焦ってみるが、陽気な同乗者たちはまだ腹を抱えて笑っている。
 のちに知ったところによれば、それはルンピニー公園にもいる、人には無害なオオトカゲだったそうだ。ほっ。

 船に乗った商人たちから土産物を買ったり、クウィティアウを一杯注文したりした。そして、物売り船が集まる場所から離れたところでは、川で洗濯をするおばあさんや、手漕ぎ船をうまく操って出かける人々に出会って、その暮らしぶりにも触れた。でも、ダムヌン・サドゥアクで最も印象に残ったのは、底抜けに明るいタイ人たちから見てもきっと眩しすぎる、フィリピン人たちの突き抜けた明るさだった。


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footprints


水上マーケット

左にある場所から船を呼べる
運河近くの家

このあたりは運河ボート巡りコースに入っている
橋はボートを邪魔しないように高く作られている
運河横には細い水上路地もある

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