MAE KLONG
川風 1日4本しかないローカル列車に揺られた終着駅。テレビ番組やガイドブックでも紹介される、線路の上に出る市場で少しは知られるようになったこの街は、行政的なネーミングのサムット・ソンクラームよりも、川の名である「メー・クローン」の呼び名で親しまれている。 ここから近いダヌムン・サドゥアク水上マーケット・ツアーのオプションなのだろうか、カメラやハンディカムを片手にしたファラン(西洋人)の顔をたまに見つけることもできる。けれども、この小さな町の中では、そんな物見遊山などどこ吹く風。昔ながらのタイの空気が実に濃い。人の眼差しが柔らかい。 帰りの列車が運休していることを駅の窓口の張り紙で知った僕が立ちすくんでいると、「列車は来ないのかい?」とおじさん・おばさんが僕に問いかけてくる。もちろんタイ語だ。返事をしても、僕がタイ語を話すことにだれも戸惑わない。僕はタイ人っぽく見えるようになってきたのだろうか? いや、それなら他の地域でも同じようなことが起こるはずだ。答えは出ない。おそらく、生活言語がそのまま飛び出すことが、この街に暮らすおじさん・おばさんたちのごく普通の行為だったのだろう。 少年たちがさっきから、渡し船の横で何度も川に飛び込んでいる。緩やかな川風が髪をなぜる。どんなにとんがった雰囲気を醸し出そうと気張ったファッションをアピールしている若者であっても、バンコクから来た日本人である僕には、それが和やかで微笑ましいものに見えてしまう。 ロット・トゥーでバンコクから1時間半ほど。これからワンデイ・トリップに来ることも多くなりそうだ。 |
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メークローン市場 あまり見かけない魚が並べられている。 買い物客のおばちゃんたちが、「これはなんていう魚?」と尋ねる声があちこちから聞こえる。 |
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メークローン市場 列車がやってきたら商品をどけることで有名。 |
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メー・クローン駅 右側一帯は屋台になっており、鉄路の先は市場と化している。 しばらくすると、プラットホームにトゥクトゥクが入ってきた。 |
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メー・クローン駅 駅の前にも、ほら、露店が。 |
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メー・クローン線は川にぶつかっておしまい | |
メー・クローン(クローン川) 駅から降りて進行方向にそのまま向かえば、すぐに川面に出る。 近くに渡し船の船着き場があり、けっこう大きくてしっかりした船が対岸との間を行き交っている。 どうやら、この川は流れが速いようで、船は流れに押されながら角度をつけて行き来する。 川沿いには小さな食堂があり、夕暮れ時のビールを楽しめそうだ。 |
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渡し船乗り場 川を船渡ししている。 |
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メー・クローンの街並み | |
ドン・ホイ・ロート 海岸が干潟になっていて、潮干狩りや夕涼みを楽しむ老若男女が集まっていた。 大きな貝を採っているおっちゃんが見物客の感嘆を集めている。 |
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ドン・ホイ・ロートに佇む若者たち |
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