CHANG LAY


僕が最も好きなタイの街

 チェンマイに「北の薔薇」という徒名は、部分的にあっているような気がする。だとすれば、チェンラーイはさしずめ「北の蘭」だろうか。華美ではないが高貴で気高く、かといって鼻持ちならないプライドなど微塵も感じさせない。それどころか、こんなにも親しみがあるのに、どうして穏やかで奥ゆかしくいられるのだろうと後になってその芳香の上品さに気づく、といった按配だ。

 他の街と同様に、僕はここで特別な何かがあったわけではない。旅の醍醐味をインパクトで競うのなら、この街は端から予選漏れすること請け合いだろう。後になって、この街での大切な一枚を探してみたところで、たいした写真も残っていない。僕にとってこの町の最も大切な部分は、撮ることなどできないからだ。そう書くと、もちろん足を踏み入れたことのない方は「では、どうした良さなのか」と詰め寄られることであろう。でも残念ながら、映像だけでなく、文章も僕にはどうやら思うようには書けそうにない。中国系の住人が多いのだが、他のどの華人系地域にもない落ち着いた穏やかさと恥じらいの心が満ち満ちているとか、街が小作りで手ごろだとか、これと決まった見所がないから旅行者が通過点としているだけで荒らされきってはいないとか、そんなことはいくらでも言える。でも、それは本質ではない。そしてそれは、ただ、僕がこの街を愛するせいで盲目になっているだけのことかもしれない。それは、ほかならぬあなたが実際足を踏み入れて答えを出してもらえれば、と思う。




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ビューティー・コンテスト

 その夜、ナイト・バザールは特別賑わっていた。観光客しか寄り付かないチェンマイの夜市とは違って、チェンラーイは町自体が小さくて他に皆が集うところがあまりないせいで、宵からのナイト・バザール周辺にはタイ人たちも人だかりを作る。混んでいるのは週末のせいだけかと思っていたら、二つあるステージのうち、ぱっとしないが地元の人で賑わうほうの舞台ではビューティー・コンテストが開催中であった。老若男女誰もが先行きを注視し、「ワシは○番だと思う」「俺はあの子がいいな」「あー、あの子が一番かわいいわね」と口々に好き勝手言っている。途中さほど面白いとはいえないマジックやダンスのステージなんかがはさまるが、誰も文句など言わない。楽しげに仲間とビールを飲んだり買い食いをしたり。

 一人でいる僕はビール瓶も空いてしまうと手持ち無沙汰だ。せっかくなのでカメラを出して美女を撮ろう。席に座ってパチパチではまともな写真など撮れそうもないので、ここは思い切って舞台袖から。
 そうすると、明らかにプレスっぽいカメラマンが「あんた、どこから?」と訊いてくる。思わず「日本から」と、僕にとっては本当のことを答えるが、彼らは「そりゃすごいね」と、どうやら僕を日本からやってきたライターのように勘違いしているようだ。「もっとこっちに来なよ。大丈夫だって、邪魔にはならないから!」と舞台のセンターにまで手招きされる。パチパチパチパチパチ…。36枚撮りフィルムを1本半使い、その夜のチェンラーイ・ビューティー・コンテストの実況を追いかけることとなった。
 帰り際、2位になった女性から微笑みかけられ、そのご両親が実家の連絡先を紙に書いて渡してくれた。「名刺をきらしてます」というのが僕の精一杯だった。




footprints


2011年訪問
ワット・サンパコ

チェンラーイのタイヤイ寺院。
上の文字はタイ語、下の文字はタイヤイ語
ワット・サンパコ

静寂漂う境内にいると清々しい。
ソイ・タイヤイの標識

ワット・サンパコへと続く細道。
チェンラーイ・バスターミナルにて

このミニ・バスがビルマとの国境の街、メー・サーイ行き。
チェンラーイ・バスターミナルにて

こちらはラオスとの国境の街、チェン・コーン行き。
チェンラーイ空港

こじんまりとした地方空港。
1998年訪問
ステージ前に落ちていたもの
どこまで行くのか
ビューティー・コンテストの結果

会場ではどうやら、僕のことをたぶん報道関係の人間だと思い込んだようで、
2位の人の目線は僕のカメラにアピールを繰り返していた。
ビューティー・コンテストと同じステージにて

こちらは一気に北タイの雰囲気の衣装でした。
クウィティアウ

廊下のような細長いスペースで、みんな麺をすすっていた。
不思議に居心地がよかった。
市場の惣菜屋のおばちゃん

BBS背景画のお店は、チェンラーイ市場の中。
ウタラキット通りの学校

みんなでパチリ。
ナイト・マーケット

民族衣装に身を包む女性が多い。
ホー・ナリカー(時計塔)

タイのちょっとした街でよく見かける時計塔
市場で売っていたカメ

たぶん食用なんでしょうね。
ドイ・カォキー頂上のお寺

タイを訪れたことのない友人が「なぜか、この場所には行ったことがある記憶がある」と言った。
僕も実は、レンタル・バイクでこのワット(お寺)に着いたとき、不思議な気持を味わった。
もう一度訪れてみたい。

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