ラス・チカス・デル・カン
「ラ・コントラバンディスタ」(運び屋さん);「フアナ・ラ・クバーナ」所収

 ウィルフリード・バルガスはワールド・ミュージック・ブームとともに日本でも広く紹介された有能なミュージシャンだが、ラス・チカス・デル・カンは彼のプロデュースしたガール・グループ。ウィルフリードが過剰なプロデュースを施さず、大雑把で隙の多い音だが、それは彼女たちの特性をうまく活かしている。愛情・セックス・カネがダイレクトに、しかも素直に現れた歌詞からも判るとおり、彼女たちのポジションは浮草的な、酒と踊りと香水の似合う、明日に保険をかけない女の姿。ディスコ・ミュージックとして、あるいはバー・ソングとしての曲に緻密な計算が施されていない緩やかさ、風通しのよさがぴったり似合っている。
 以前は友人の車の助手席でこの曲をよくカー・ステレオに突っ込んだものだった。しかし、不景気真っ逆さまから十数年たって、いまだに逆さ吊りになったまま頭に鬱血してしまった日本で、この能天気なグループのCDを車でかけて窓を開けて走るのがつらい今日この頃である。さあ、今度はタイにでも持っていって聴いてみようか。




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