日本はコーラス・グループに弱い国だとされてきた。リスナーへの浸透具合としては、フォー・シーズンズ、エヴァリー・ブラザーズ、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ、テンプテイションズなどはおろか、ビーチ・ボーイズや山下達郎だってその実力と見合った評価を受けているとはいいがたい。ましてや、クリエイターやシンガーの部分を除いてハーモニーの妙味だけをピック・アップしての味わいとなると、意識的なリスナーの数は極端に少ないパーセンテージになる。
 近年になってのカート・ベッチャー周辺の再評価あたりを中心としたソフト・ロックとしてのコーラスを再発見しようとする向きの強まりなどは心強い。そこへもってきて、ケミストリーである。
 TVメディアから産み落とされた彼らだが、二人の個性が動と静、黒っぽさと白っぽさの対極になったのは本当に視聴者投票によるだけのものか、それとも、あらかじめ番組製作スタッフ側の人選や事務所、あるいはレコード会社側の契約が先行していたのか。ただどちらにせよ、コーラスを第一の売り物にした彼らの異種格闘技戦のコーラスは、日本人が元から弱いコーラス感覚に新しい、日本人らしい捻くれた解答をひとつ出したような気がする。人格を越えて声が一つになろうとするブラザーズ・グループ、シスターズ・グループではなく、一グループで二度おいしい詰め合わせお弁当式コーラス・デュオの誕生を、僕はカラオケで楽しんでいたりする。彼らの声域までには届かなくても、酔った勢いで自分がその日川畑になったり堂珍になったりできる。彼らの曲を消費音楽だと考えるなら、カラオケでのストレス発散に一役買うという演劇性のあり方も、どのみちダメな僕らのコーラス・リスニングへの不毛な解答としてもよいだろう。


ALBUM

The Way We Are

my best song You Go Your Way
my best album 
my best lyrick 
my best music 
my best arrange 


◆「プレーン・ジャパン」に戻る









SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送