フリッパーズからセンスと遊び心を切りぬいた影絵がコーネリアス。今でも僕はそう確信している。
 もともと小山田圭吾はファッションにせよ音にせよ、直観とセンスで時代を切り取ってきたコーディネイターの資質をフリッパーズに活かしてきた人物。小沢健二という後ろ盾がなくなったファースト・アルバムでは、だからこそ「〜だろう」という不確定を表す言葉が各曲に繰り返し登場するのだろう。彼がソロ活動に「コーネリアス」という名を用いて、さまざまなミュージシャンとコラボレーションのように祝祭的な楽曲を残したことは、彼が思想ではなくコーディネイトを重視してきたことを物語っている。
 そんな彼の本音を見たような気がしたのが、「Star Fruit, Surf Rider」。このドラムン・ベースを大胆に引用したミニマル・ミュージックは、90年代を席巻した「渋谷系」と呼ばれる一連の祝祭の終焉を暗示した、陰影に富んだ一曲だった。そこにはっきりと見える疲労の匂いは、かつてスライ・ストーンが"There's a Riot Goin' on"で示したそれと重なりあう。ただ、同じ姿勢を持ちながらも小山田圭吾がやはりあくまで薄っぺらな表層の世界にしがみつこうとしたのは、彼があくまでポスト・パンクを標榜しているからにほかならないだろう。そこに、僕は彼の誠実さを見た。


ALBUM

The First Question Award
69/96
Fantasma


my best song Star Fruits Surf Rider
my best album First Question Award
my best lyrick Star Fruits Surf Rider
my best music Silent Snow Stream
my best arrange Star Fruits Surf Rider


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