四人囃子

 学生の頃は、なぜかラジオやテレビの音楽番組、あるいは音楽雑誌からヒントを得てアルバムを買いに走るということがあまりなかった。当時の僕の同期の多くは、すでに買い求めたアルバムのライナー・ノート。そこにほかのミュージシャンやバンドの名が挙がっていたら、気になって仕方がなくなる、という寸法だった。

 こうした四人囃子との出会いのアルバムは"NEO-N"。正直、なんだかよくわからなかった。ポップでもあるし、ちょっと前衛的な香りもするし、かといってさほどテクノでもなかった。続いて買った「プリンテッド・ジェリー」でますますわけがわからなくなった。キャッチーなところは通底しているが、エキゾチックなところがあったり、へんに大作じみた作りの曲があったり。そうして、名作の誉れ高い「一触即発」に巡り合う。一気に合点がいった。

 今にして思えば、僕がよくわからなかったのは、ポップスになりきれずに、かといってロックでもない中途半端に見えた彼らの姿勢だった。けれども、プログレでありながら骨太なロックの精神も、繊細なフォーキーさも持ち合わせ、なおかつ70年代の日本的な曇り空のような暗さも携え、楽器の魅力を最大限に生かそうとする「一触即発」から、彼らはメンバー・チェンジも含めた音の旅を続け、ポップであることを基軸に様々な音を紡ぎだそうとしていたのだということが、ようやく理解できた。「ゴールデン・ピクニックス」でのカラフルでサイケデリックでありながらポップス志向を強めた姿を確認して、そのことがよりはっきりとわかった。

 そして、森園勝敏を若干例外として、彼らはメンバーの誰かが際立って見えるような仕掛けをついぞ採ってこなかった。いわば、バンド社会主義。「包」あたりから顕著になってくる佐久間正英のテクノ趣味が押し出されてきても、テクノ自体が極めて構築主義的な音楽であるため、却ってさらにメンバーの突出が見えなくなってくる。そのユニークさが、僕にとって、このバンドの醍醐味にほかならない。


ALBUM

二十歳の原点(サウンドトラック)
一触即発
ゴールデン・ピクニックス
プリンテッド・ジェリー

NEO-N
Dance
Live Concert MZA有明



SINGLE

空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ



my best song 一触即発
my best album ゴールデン・ピクニックス
my best lyrick 
my best music 
my best arrange 一触即発




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