T-Rex


 CCRの"Have you ever seen the Rain?"のように、星の数ほどのバンドにコピーされながら、どうしてもおいそれとは味が出せないような曲がある。T-Rexの"Get it on"もそうした曲の一つだ。マーク・ボランの震えるようなセクシーな声でないと、あの曲はあのバックには合わないのだ。

 T-Rexはライヴでの演奏力がすこぶる劣ると言われている、いわば時代の徒花のようなユニットである。アコギとパーカッションのアコースティック編成だったティラノサウルス・レックスがエレキ化して発展を遂げ、いちやく時代の前面に登場し、グラム・ロックの台風の目となった。そんな状況に応じ、マーク・ボランは自身をジョン・レノンにたとえたりしてもいた。しかし、多くの人が当時から気づいていたはずだ。彼のそうした誇大妄想やロック・スターぶりがすでにグラム・ロックという虚飾性の高い流行の華々しい飾りものであり、その飛沫的な虚しさがグラム・ロックの本質なのだろうということを。その役割を背負うには、ゲイリー・グリッターやイアン・デューリーあたりでは役不足だったし、変幻自在のデヴィッド・ボウイにはグラム・ロック一本槍でこのブームを支える空虚な決意を感じることが難しかった。マーク・ボランがラメでキラキラに着飾るほどに、時代は都市の孤独を演出できた。

 だが、マーク・ボランにはあの歌声があった。そこにはグラム・ロックに必要な虚構性も、その舞台裏の寂寥も渦巻いていた。だから彼の遺した歌は、今も強い光を放つ。



my best song Get It On
my best album Erectric Warrior
my best lyrick Monolith
my best music Metal Guru
my best arrange Mambo Sun



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