ニュー・オーリンズはフレンチ・クゥオーターの目抜き通り、バーボン・ストリートの夜は呼び込みに忙しい。土産店やレストランはもちろんのこと、ディキシー・ジャズやソウルのふるさとでもあるこの街は、大小さまざまのバーで毎夜熱い演奏が繰り広げられているのだ。表にまで飛び出してくるごきげんな音をたよりに冷やかした店のバンドは威勢がよかった頃のいかりや長介に似た男で、ステージとフロアを隔てる1本渡された木のバーから身をこちらにせり出して汗だくでシャウトを続けていた。一介のバー・バンドがこのレヴェルであるのが、ニュー・オーリンズ・シーンの懐の深さを思い知らせる。
 昼時のミシシッピ川沿いの遊歩道に、"I'm only 10 years old"とバス・ドラムに書かれたセットが置いてある。ほどなく黒人の少年がやってきて、使い古されたぼろぼろのスティックで、耳掻きでもしているみたいにセカンド・ライン・ビートを繰り出し始めた。彼はおそらく、ジャストなタイム感覚や前ノリのビートはたたけない。でも、このシンコペイト・ドラミングはもはや芸域としては完成している。音楽教室でドラムを「勉強している」連中とは骨が違うことが身に沁みて解る。
 アメリカ旅行から帰国して1ヶ月もたたないうちに、ぞっこんだったネヴィル・ブラザーズのライヴが野音で開かれた。あんなに会場で踊りまくったのは初めてだった。ドラムがルーズなリズムを刻み始めるだけで体が動きたがる。そこに粘り腰のベースがねっとりと絡み、パーカッションが煽り立て、ギターが景気をつけ、サックスとキーボードが彩りをつけ、ヴォーカルが訴えかけてくる。そのとき僕は最高に熱いニュー・オーリンズの真っ只中にいた。
 一生のうち一度は、マルディ・グラに行こうと決めている。グレイハウンド・バスの中で、空席がなかったので仕方なく座った最後部の座席で隣り合ったニュー・オーリンズのお兄ちゃんは言っていた。「マルディ・グラ? ああ、ただウチの近くで飲んでるだけだよ。でも、それでも最高なんだ」


ALBUM

The Neville Brothers
Fiyo on the Bayou
Neville-Ization
Uptown
Nevillization U Live at Tipitina's
Yellow Moon
Brother's Keeper
METERS

The Meters
Look-Ka Py Py
Struttin'
Cabbage Alley
Rejuvenation
Fire on the Bayou
Trick Bag
New Directions

AARON NEVILLE
Like It'tis
Tell It Like It Is
Orchid in The Storm

CHARLES NEVILLE

SIRIL NEVILLE


my best song Bird on a Wire
my best album Brother's Keeper
my best lyrick Bird on the Wire
my best music Tell It Like It Is
my best arrange Brohter Blood


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