「ナショナリストなんだろ、結局?」というのが当時の友人のスプリングスティーン評だった。拳を振りかざして"Born
in the U.S.A."なんて叫ぶ彼の姿は安直にそういうイメージにつながってもしかたない。また、別の友達は「卑怯だよ、ああいうことやるのは」と言った。当時僕らの間に流行っていたのがこの「卑怯」論なのだが、尾崎豊は青臭いことを照れずに正面切って直接的な言葉で歌うから卑怯だとか、ビリー・ジョエルが「ナイロン・カーテン」のような社会問題をフィーチャーしたアルバムを出したら耳目を集めるのは当然でずるいとか、要するに「これをやれば当たる」ということを臆面もなくやることを僕らはそう野次っていたのだ。たしかにスプリングスティーンのようなシンプルなロックへの回帰は80年代のあの空気の中では必要とされているものだった。 でも、"Born in the U.S.A."はヴェトナムからの帰還兵が狂ったアメリカを目の当たりにして皮肉に「俺はアメリカで生まれた」と繰り返す曲だし、スプリングスティーンが工業都市デトロイトでギターをかき鳴らして何かを歌おうとするときにシンプルなロックを選択するのはむしろ自然なのではないか。 強いていうなら、今の耳では80年代を濃密に感じさせるスタジオ・ワークが耳障りではある。特にドラムがバタバタとうるさい。が、どうしてCCRは評価されるのに、スプリングスティーンには旗色が悪くなってしまったのか? 同じシンプルなロックといってもCCRの場合、アメリカ南部のスワンプに直結する泥臭いテイストが今日的ではあるが、それをいうなら初期のスプリングスティーンが持っていた、いろんなものを整理しきれないままごちゃっと曲の中に雑多な要素を詰め込んだアルバムは今の時代の音でもあろう。 ブルース・スプリングスティーンは一時期、「ロックの未来」と呼ばれた。その有名なキャッチ・コピーが今は彼を古臭いもの、終わってしまったものにしている気がしてならない。 |
ALBUM
Greetings From Asbury Park, N.J. The Wild, The Innocent & The E Street Shffule Born To Run Darkness On The Edge Of Town The River Nebraska Born In The U.S.A. Live/1975-85 Tunnel Of Love Human Touch Lucky Town The Ghost Of Tom Joad In Concert/MTV Plugged Tracks Live In New York City The Rising Devils & Dust Hammersmith Odeon, London '75 We Shall Overcome:The Seeger Sessions Magic |
my best song The Ties That Bind
my best album Born to Run
my best lyrick Backsteets
my best music Meeting Across the River
my best arrange The Wild, The Innocent & The E Street Shffule
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