マニュアル世代がどうだとか言い出す前から「書を捨てよ、街へ出よう」なんて叫ばれていたけれど、それがどうだっていうんだ。生まれたときにはもうすでにハウツー本の背表紙が本屋に並んでいた僕らに何をどうしろというんだ。セミの捕まえ方だって折り紙の折り方だって、そういうのを子供向け雑誌の記事にして商売にしていたのはあんたら大人じゃないか！ 　フランク・ザッパを聴くには、僕らは不幸な世代だったと思う。リアルタイムに聴けた人たちは情報もない時代の中であの音を音として受け取っただろうし、９０年代の感性を吸い込んだ若い世代もまた純粋に音としてかっこいいかどうかで聴き分けることができただろうが、僕たち中途半端な歳の人間は彼についてつまらない能書きや薀蓄やコピーや刷り込なんかを背負わされすぎた。そのたびに大仰に難解なイメージを抱き、西海岸からフリークス、R&Bから現代音楽のことまでを一緒くたになって視座に入れながら彼の音楽にまだ到達しない自身の感性の甘さなんかを噛みしめる羽目になった。 　もうそういうつまらない言い草を彼に関する文章に持ち込むのはやめにしよう。オーケー、彼はかっこいい。 　ザッパのギターは他の誰にも置き換えることのできない痺れるかっこよさだ。音がハードな曲であってもハード・ロック文脈の「大音量・音圧とスピード感でカタルシス」な美学とは違って、彼のギターはいろんな捕われ事から自由なのだ。それは曲作りにも言えるのだが、彼は自分の頭の中に鳴っている音と実際出てきた音、偶然出てしまった音のすべてを咄嗟に「気持ちのよいもの、中毒性の高い痺れるようなもの」に調理してしまうことができる職人なのだ。 　"Absolutery Free"と謳った人の音楽がパブリック・イメージとつまらない能書きに絡め取られてしまっていたところに僕等の不幸はある。たぶん、ザッパの自由度を感じて恐くなってしまった族がこぞって彼の音楽を「難解」なんて言い出してその力を封じようとしたのだろう。だからこそ彼は言ったのだ。"Who is the Brain Poris?"

ALBUM

my best song　Peaches en Regalia
my best album　Sheik Yerbouti
my best lyrick　Who Is a Brain Police?
my best music　Sexual Harasment in the Workplace
my best arrange　Peaches In Regalia

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