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レヴュー02

書籍

『高校生の現代社会資料集』(一橋出版)

一本のバナナを通して膨れあがりすぎた経済機構を覗かせる特集に始まって、自分史の著述のすすめ(自分を語れない=自分の価値基準がない、ということは、他者への評価もできないということだ)、女子高生のアジア大陸横断の一人旅、「就職」しないで花車で花屋を開いた恋人同士、「戦争は犠牲の多い外交政策だ」という各国外交政策の方法論、管理社会の中でちぢこまった体を解き放つ体操などが一つ一つのドラマの入り口として扉を開いている。これは本当に実りの多い「資料集」だ。高校生だけではなく、老若男女が普通の生活を営むうえで自分のおかれているポイントを幻視するためのきっかけが207ページのあいだに様々なベクトルで用意されている。この本が実際に昨年までの教科書副読本として採用されていた事実に勇気づけられる。執筆者一同の言葉、「みえないものがみえるようになることこそが、まなぶことの本当の意味」「わかりやすい内容とは、こころとからだ全体にひびき、伝わっていくもの」。この資料集が昨年で製造中止されていることが残念でならない。改訂版が出ることを切望する。

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